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 なかなか眠れない深夜。

彼はわたしの右隣で寝息をたてている。


普段ならその寝息につられて早い時間に眠りにつけるのだけれど、昨日からすんなりと眠ることができない。

昨日は好きな動画投稿屋さんの雑談動画を流して寝た。
そういえば彼が家にいるようになる前はいつもそうして寝ていた。

複数人の話し声を聞いていると落ち着いて眠れるのだ。

聞きすぎて癖になってしまっただろうか。



 彼はのび太くん並みに眠りにつくのがはやい。

それだけ疲れる仕事をこなしているということだろうか。
もしくはエネルギーの消費が尋常じゃないか、赤ちゃんか。そのうち2つは当てはまりそうだ。


わたしが左に寝返りを打つと、彼は高確率で同じように寝返りを打って腕を回してくる。

さっきもそうだった。

それに加えてぎゅうぎゅうと抱きしめるので、抱き枕とでも思われたかもしれない。
抱き心地が良いということでプラスにとらえる。



彼は寝ているとき、起きてすぐの記憶がほぼないのでにこにこするようなイベントを無意識に発生させてくれる。
実に平和である。

ぜひあれやこれやお話したいところではあるけれど、彼のイメージを崩さないため(?)に、具体的なエピソードは省略。


ただ1つだけ、先程トイレに行って帰ってきた後のエピソードを明かすことにする。

帰ってきて布団へ戻ると、彼が腕を回し、何故かお腹の辺りをトントンと優しく叩いてくれた。意識はないと思うが、〇〇ちゃんはお腹痛い と本能的に思いトントンしてくれたのだろう。

ああなんて都合のいい解釈。

ちなみにお腹は痛くないし、ただ膀胱の限界が来ただけだった。


彼はやさしいひとなのだ。





 さすがに眠らないとならない。

昨日と同じく雑談を聞きながら眠ることにする。


みんなと彼によい夢と明日が訪れますように。